2016年6月4日土曜日

『許されざる者』ネタバレなし



監督・主演:クリント・イーストウッド
公開:1992年

「最後の西部劇」という異名を持つ映画だそうです。


あらすじ

19世紀末のワイオミング。ビッグ・ウイスキーという町の酒場で、男が娼婦の顔を切りつける事件が発生した。男とその相棒は酒場の店主スキニーに取り押さえられ、保安官のリトル・ビル・ダゲットに突き出される。ダゲットはスキニーに馬7頭を差し出すことを命じた。
しかし、娼婦たちの怒りはそれでは収まらず、みんなで貯めたお金を出し合って男ふたりに賞金を懸ける。


かつて、列車強盗などでその名を轟かせたカウボーイがいた。しかし、そのウィリアム・マニーも結婚し、父になり、妻と死別し、今はふたりの子どもと牧場を細々とやっていた。酒も殺しもきっぱりやめ、良い父親だった。
ところが、豚が次々と病気になってしまい生活に困っていたところ、スコフィールド・キッドと名乗るカウボーイの若者が現れる。彼は娼婦を切り刻んだ男を殺し賞金をもらうつもりだ。その相棒にマニーを選んだわけだ。
一度は断るも、気が変わったマニーは、かつての相棒で射撃の名手ネッド・ローガンを連れてキッドを追いかける。



感想

派手にドンパチすることはあまりなく、落ち着いたトーンで進行します。始まった瞬間「あ、イーストウッドっぽい」と思いました。

殺しをやめたふたりの老カウボーイと経験の浅い若者の3人組が、ふたりの賞金首を殺すことで命の重みを痛感する。そんな映画です。

カウボーイ、娼婦、保安官がそれぞれの形で死と向き合います。そして、死が軽いものではなく、人のすべて奪う、未来さえも奪う重大なことであるの悟るのです。それを知っていたはずのマニーとネッドも改めて痛感します。

そして、殺しをしたものは誰であれ、決して許されない。



これは少しネタバレになる話です。
ネッドが殺されたいきさつを聞きながら、マニーは止めていた酒をグビグビ飲み始めます。妻と子ども達を愛する父親が、女子どもも容赦なく殺す悪名高きアウトローに戻った瞬間をうまく表現しています。
このシーンはちょっとぞくっとしました。

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