クライマックスのライトセーバーバトル。そこでカイロ・レンと戦うレイがダークサイドのフォースを使った説が存在します。
問題のシーンは、カイロ・レンがレイを追い詰めたシーンで
レン「フォースを学べ。俺がお前を導いてやる」
レイ「フォース?」
という会話の後、レイのフォースが覚醒し、一気に形勢逆転。レイがレンを倒します。
今回は様々な角度からこのシーンを検証しようと思います。できるだけ客観的に考えていこうと思います。
字幕から
まずは英語字幕から。英語字幕では、聴覚障害の方でも楽しめるように、効果音や叫び、息遣いまで表示されるものもあります。最近の映画にはほぼ付いているように思います。
上記のレイのセリフの字幕を抜粋します。
(SOFTLY) The Force? 訳:(優しく)フォース?
(BREATHING SLOWS) 訳:(ゆっくりとした呼吸)
(BREATHING CALMLY) 訳:(落ち着いた呼吸)
完全にライトサイドです。このあとのシーンからは感情に関する字幕はありませんでした。
字幕からは。レイはライトサイドという結論になります。
映像から
字幕関係なしに、表情や動きから検証します。
「フォースを学べ。俺がお前を導いてやる」
と言われたとき、レイは眉間にしわを寄せかなり力が入っていました。
しかし、
「フォース?」
といってからは、呼吸が穏やかになり、表情も穏やかになります。これはライトサイドです。
ところが、いざ戦いが再会すると、その動きはダース・ベイダーを追い詰めるルーク・スカイウォーカーを彷彿とさせます。
このときのルークと言えば、ベイダーの挑発にのってダークサイドの力を得て攻撃していました。
ということは、このときのレイはダークサイドだと言えるでしょう。
映像からは判断が付きません。
音楽から
『スター・ウォーズ』の音楽は、キャラクターごとにテーマ曲が作られています。だから音楽だけ聴けば誰の登場シーンなのかもわかってしまいます。
レイが
「フォース?」
と言ったとき、流れているのはフォースのテーマです。ダゴバで緑色の小さい奴の正体がヨーダだとわかるシーンや、アク・トゥーでレイがルークと対面するシーンなどで使われています。ルークのテーマと言ってもいいような曲でした。
この後、戦いが再会すると、レイのテーマに切り替わります。決着がつく直前に再びレイのテーマ。決着がつくとフォースのテーマが流れます。
レイはダークサイドかどうかを検証しているため、レイのテーマがどちらを意味するのかわかりませんが、フォースのテーマは”ライトサイド”のフォースのテーマです。
音楽から考えるとレイはライトサイドいえるでしょう。
小説から
最後に、講談社出版の公式ジュニアノベルズを参考にします。
まず、カイロ・レンが優勢の時の記述を見てみます。
しかも、レイは怒っている。怒りがレイに力を与えていた。だが、同時にそれはレンの力の源でもあった。だから、怒りだけでは決してレンには勝てない。(P.185)
ダークサイドだと明記されているようなものです。
では、問題のシーンを見てみましょう。
「フォース?」レイはつぶやいた。その声には困惑といきどおりが入りまじっている。レイはしばらく目を閉じた。ふたたび目をあけると、これまで以上のすさまじさでレンに突進していった。レンは生まれてはじめて、戦う相手に自分より強い怒りを感じた。いや、レイを動かしているのは怒りではなく、レンがすでになくしてしまった別の感情かもしれない。(P.186)
レンは思わずレイを見上げた。胸にはライトセーバーがつきつけられている。氷のように冷たいレイの視線にレンはふるえた。殺すのは好きでも、殺されるのはいやだ。カイロ・レンは恐怖を感じていた。(P.187)
最初から最後までダークサイドです。ただ、100%そうだとは言い切れません。なぜなら、怒り以外の何かがレイに力を与えていたからです。「レンがすでになくしてしまった別の感情」・・・ライトサイドと考えるのが妥当でしょう。
濁された!!!
どっちにしろ、怒りを使っていたことは確かなので、ダークサイドと言えるでしょう。
結論
ダークサイド:1
ライトサイド:2
判断付かず:1
ライトサイドが優勢でした。しかし、公式のノベルズが濁しているとはいえダークサイド寄りなのは無視できません。
判断の難しいところですが、このブログでの結論はレイはダークサイドのフォースを使ってはいないといえるということにします。
これが正解かどうかは、いずれ分かるでしょう。
参考文献
ウォルト・ディズニー・スタジオ・モーション・ピクチャーズ『スター・ウォーズ フォースの覚醒』J・J・エイブラムス、2015年
講談社『スター・ウォーズ フォースの覚醒』マイケル・コッグ、2016年
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