2016年5月6日金曜日

『シビル・ウォー キャプテン・アメリカ』ネタバレあり

映画を観た前提で書くので、観てない人は「?」となると思います。

とてつもなく情報量の多い映画だったので、自分の頭を整理するためにも書きます。

でも1回しか観てないからしんどい。


暗躍するジモ

予告では一切姿を見せず、本編でも地味な見た目で暗躍していました。

ウルトロンとアベンジャーズの戦いの被害が思ったより大きく、父と妻子を失います。
それ以来復讐に憑りつかれました。


彼の狙いはアベンジャーズの崩壊。

そのカギとして利用されたのがバッキーです。


まず、ソコヴィア協定の調印式での爆破テロをバッキーの仕業に見せかけ、指名手配で公開捜査させます。
バッキーをあぶり出すことができれば、キャップが動くことが分かっていたのでしょう。

思惑通り、キャップは犯罪者であるバッキーをかばって突入部隊を攻撃し、さらにはブラックパンサーまで加わり大暴れします。

結局バッキー、キャップ、ファルコン、ブラックパンサーは逮捕されますが、そこにジモが現れます。

バッキーの精神鑑定を担当する精神科医になりすまし、ヒドラの洗脳を利用します。そしてバッキーを操り、脱走させることに成功します。


チームアイアンマンを振り切ったバッキーをキャップたちは確保。洗脳が解けていたバッキーにジモの狙いを聞きます。
そして、他のウィンター・ソルジャーの存在やジモのことを知ります。

これもジモの計算のうち。敢えて精神科医の死体など手掛かりを見つけさせ、自分の後を追わせます。


案の定、空港でのバトルを突破したキャップとバッキーは、ジモを追います。それをこっそりアイアンマンが追います。ついでに国王陛下も。


ジモの計画に気づき、真相のもとに再び団結したキャップとアイアンマン。
しかし、ジモは彼らにトニーの両親の死の真相を見せます。激昂したトニーはバッキーに復讐しようとします。
ジモの仕組んだ通り、アベンジャーズは死闘を繰り広げることになってしまいました。そして大きな傷跡を残し、アベンジャーズは分裂したのです。


目標を達成したジモは、自殺をしようとします。しかし、ここでようやく計画が崩れます。ブラックパンサーが自殺を止めてしまいます。
しかし、時すでに遅し。ジモは勝ったのです。


復讐が復讐を呼ぶ

今作は数々の復讐や憎悪が登場します。
アベンジャーズは何度も世界を救ってきましたが、その度に犠牲者も出ていました。そのツケが回ってきたのでしょう。

皮肉にも、ここにアベンジャーズは復讐する側から、される側になりました。

ジモとブラックパンサーはともに復讐の念に駆られていますが、最後に復讐の環を閉じたのはブラックパンサーでした。
復讐を終えたジモの空虚な姿に、ティチャラは未来の自分を見たのかもしれません。



トニー・スタークの苦悩

『シビル・ウォー』でのトニーは、一番ストレスが多そうでした。疲れた顔をして口数も少なかったように思います。


考えてみれば、トニーはアベンジャーズの中で最も犠牲者に対して気を遣っていました。

スターク・インダストリーズの兵器がテロリストに使われていることを知って、兵器製造をやめました。
ワンダに悪夢を見せられ、暴走したハルクと戦ったときも、ビルを破壊する前に無人であることを確認して上に買い取ったり、素早く基金を設立して支援していました。

同時に最も有名であるがゆえに、最も非難を浴びやすい人物でもあります。
わざわざ講演の会場にまで責めに来た人もいました。


ワンダに見せられた悪夢も尾を引いています。
力を尽くさなかったせいで皆が死んだ。それを怖れて、今回ソコヴィア協定賛成派のリーダーになったのでしょう。

とにかくみんなを守りたかっただけなのです。なのにキャップは犯罪者の友だちのためにチームの立場を悪くさせる。

さらに、チームキャップを殺しかねない勢いのロスと、まったく状況を見ようとしないキャップの間で板挟みになります。挙句の果てに、味方だと思っていたナターシャに裏切られます。

とことんかわいそう。観ていてトニーの健康面が心配になりました。



ハワード・スタークは生前、トニーに対して冷たかったようです。トニーも優秀な科学者ですが、ついに認められないまま両親は事故死します。
冒頭、トニーは過去の記憶を再現し、理想的な形に作り替えて再現する装置をお披露目します。そのシーンで、トニーが「愛してるよ」と言っていることから、実際のトニーと両親の最後の会話はもっと冷たいものだったのでしょう。

トニーは父に認められたかったが、『アイアンマン2』で認められます。そこでトニーは父にまた新たな感情を持つのですが、そのせいで事故の真相を知ったときの反応が激しいものになったのかもしれません。



単純なキャップ

それに比べて、キャップの行動動機は単純に思えます。
ペギーの葬儀に参列して、「どうしても譲れないときには絶対に譲らない。そこをどけと言われたら、こう言う。お前がどけ。」というペギーの言葉にとことん従います。

それが結局、ソコヴィア協定よりも親友が大事。ということです。


キャップはとにかくバッキーのためだけに動きます。

射殺命令が出れば助けに行くし、濡れ衣だとわかれば真実を求める。ソコヴィア協定を盾に止めに入るチームアイアンマンは関係ないのです。
「お前がどけ」の対象に過ぎないのです。





とにかく復讐と憎悪にまみれたヒーロー同士が容赦なく戦い続ける映画ですが、ユーモアをくれるキャラクターが必要です。いないと辛い。
その点、アントマンとスパイダーマンに助けられました。

やっぱり1回観ただけでは捉えきれません。これは繰り返し何度も観たい映画です。

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