監督:リッチ・ムーア、バイロン・ハワード
今回もあらすじはネタバレなしです。
あらすじ
農場を営むうさぎの一家に生まれたジュディ。彼女の夢は、うさぎで初めての警察官になること。そして世界をより良くすること。
夢をあきらめないジュディは警察学校をトップで卒業。市長の要望で、誰でも何にでもなれる街ズートピアの警察署に配属される。
しかし、そのズートピアでは動物達の失踪が後を絶たず、すでに14人も姿を消していた。
ジュディは署長と揉めつつも、48時間もらい、キツネの詐欺師ニックと失踪事件の捜査を始める。
感想
ざっくりと感想を言うと、めちゃくちゃ面白かったです。子ども向け的なものを全く感じず楽しめました。
まさに万人向けです。
ここからはネタバレありです。
まだ映画を観てない方はご注意を。
まだ映画を観てない方はご注意を。
動物たちの差別
娯楽映画と現実の問題を絡めて考えるのはあまり好きではありませんが、『ズートピア』は社会的な背景が気になりました。
ズートピアは「誰でも何にでもなれる街」と言われていますが、これはかつてのジャパニーズドリームと同じです。
アメリカンドリームのように億万長者にはなれませんが、努力をすれば身分や生まれに関係なく出世ができるということです。
しかし、現在の日本と同じく、ズートピアでも動物の種による差別・偏見が存在しています。
例えば、キツネはずる賢くて信用できないとか。
この偏見を打ち破り、差別を乗り越えるのがこの作品で描かれることなんですけどね。
これが人種のるつぼであるアメリカと重ねたのだろうかとか、いろいろ考えてしまいます。
失踪事件が一旦解決されると、別の差別が姿を現わします。
それが肉食動物に対する差別です。
肉食動物はいつ凶暴になるかわからないという、根拠もあいまいな理由で、対策を講ずるのではなく、目に触れないところに異動させたり追い出したりしてました。
ここまで行くと差別というか排除です。
ここまで行くと差別というか排除です。
不快に感じるものを排除するっているのは現実にも起きています。
例えばホームレス排除。
駅前とかに小屋を立てて暮らすのは不快だということで、支援するのではなく、追い出すのです。
こういうことを考え出すと、観終わった後の爽快感がモヤモヤに変わってしまいます・・・。
バディ・アクション
爽快感を取り戻しましょう。
『ズートピア』で最高なのが、ジュディとニックの息の合ったバディ・アクションです。
警察と詐欺師、うさぎとキツネ。真逆のふたりですが、お互いの弱みを上手く補いながら陰謀に迫ります。
ていうかまさか陰謀を暴く話を観られるとは思いませんでした(笑)
ディズニー恐るべし!
ディズニー恐るべし!
吹き替えも良かったです。
ウォシャウスキー姉弟(もう姉妹になった?)監督の歴史に残る赤字映画『スピードレーサー』で悪夢のような吹き替えをした上戸彩が、かなり上手になっていました。ジュディの声に何の違和感もありませんでした。
ニックの声は森川智之。声優の方なので完璧でした。
WDJやればできるじゃん!
ジュディがエロいとか森川さんのいろんな声が聞けたなど、いろんな評価を目にしました。
とにかくこのコンビは素晴らしかったです。
続編作ってくれないかな。
疑問
世界観にいまひとつ腑に落ちない点があります。
文明化した動物たちが仲良く暮らすのは良いんですが、その「動物」はみんな哺乳類です。しかも犬とか猫のようなペットはいません。サルもいませんでした。
なぜなんでしょう?
だから”ズー”トピアなのかもしれないですが、そこの説明が欲しかったです。
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